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第17巻 第5号 1984年5月 [目次] [全文 ( PDF 467KB)]
原著

門脈圧亢進症における脾摘後の腹部血管造影像の変化

鬼束 惇義, 日野 晃紹, 尾関 豊, 林 力, 渡辺 寛, 林 勝知, 後藤 明彦, 稲田 潔

岐阜大学第1外科

 食道静脈瘤を有する門脈圧亢進症において脾摘前後にわたり腹腔動脈および上腸間膜動脈造影を施行し,分岐異常のない23例について,脾摘による血管造影像の変化を検討した.脾腫にともない拡張した脾動脈径は脾摘により著明に低下し,総肝動脈径は増大する傾向がみられた.これは脾摘により脾動脈へのblood stealが遮断され,総肝動脈血流量が増加したためと考えられた.また脾摘後の門脈像から,門脈の狭窄あるいは閉塞により門脈の血栓形成が疑われた症例が35%と高頻度にみられ,注意する必要があると考えられた.

索引用語
門脈圧亢進症, 脾摘, 門脈血栓症, 肝血流量, 腹部血管造影像

日消外会誌 17: 890-894, 1984

別刷請求先
鬼束 惇義 〒500 岐阜市司町40 岐阜大学医学部第1外科

受理年月日
1984年2月15日

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