原著
間置腸管モデルにおける側副血行路の効果について
平石 守, 飯塚 一郎, 高浜 龍彦, 田中 洋一, 金丸 仁, 山村 卓也, 金井 福栄, 矢部 清寿, 丸山 雄二, 和田 達雄
東京大学第2外科
有茎間置腸管移植を行う際,通常では切離される肛門側の辺縁動静脈を温存することにより,移植腸管口側近傍の血行動態に来す変化を,長さ約20 cmのイヌの空腸10例,結腸8例を用いて水素ガスクリアランス法で調べた.
通常の状態で間置腸管モデルの肛門側の辺縁動静脈を遮断しても,口側近傍の腸管粘膜血流には大きな変化は認められないが,間置腸管モデルを灌流する主血管茎に,圧迫などの負荷が加わった際には,辺縁動静脈の遮断により血流量は約50%低下する.これは主として辺縁静脈による血流のby-pass的な役割によるためと考えられた.結腸では辺縁血管のみの血流によっても約20%の血流が保たれることが判明した.
索引用語
水素ガスクリアランス法, 消化管粘膜血流, 有茎間置腸管移植, 側副血行路
別刷請求先
平石 守 〒113 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学医学部第2外科
受理年月日
1984年2月15日
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