原著
潰瘍性大腸炎の手術時期および手術々式に関する臨床的検討
鳥谷 裕, 有馬 純孝, 梅野 寿実, 内田 博, 二見 喜太郎, 志村 秀彦
福岡大学医学部第1外科
1974年以来われわれの経験した11例の潰瘍性大腸炎症例をもとに手術適応ならびに手術々式に関する検討を加えた.従来から指摘されているように手術症例は,重症型で全大腸炎型症例が大部分を占め,術前内科的治療として大量のsteroid hormoneが投与される事も少なくない.このため重篤な合併症の発現を見ることもあり,できれば2,000~3,000 mgのsteroid hormone投与の時点で手術適応を決定すべきであると考える.手術々式は,直腸病変の軽度な症例は腹膜反転部附近で回腸直腸吻合術を,同部に明らかな活動性病変を認める症例は直腸粘膜抜去術およびpull-through法による回腸肛門吻合術を施行することを基本方針とする.
索引用語
潰瘍性大腸炎, 潰瘍性大腸炎の手術
別刷請求先
鳥谷 裕 〒814-01 福岡市城南区七隅7-45-1 福岡大学医学部第1外科
受理年月日
1984年3月14日
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