原著
大腸癌手術における血清CEAの臨床的意義
高橋 日出雄, 石田 秀世, 小林 進, 穴沢 貞夫, 桜井 健司
東京慈恵会医科大学第1外科学教室
大腸癌の手術前後にCEAを測定した87例について,CEAの臨床的意義を検討した.根治手術後肝転移の再発8例についてもCEAと画像診断について検討した.大腸癌CEAの陽性率は57.7%で,血清CEAは癌の大きさ,深達度,Dukes分類など,進行度に応じて相関がみられた.手術時肝転移のないH0のCEAは平均値(M±SD=5.1±7.28,n=65)に対し,H(+)(M±SD=9.8±9.76,n=11)は2倍近い値であった.根治手術後,肝転移の再発症例では,CEAが術後正常値に復していたが,10カ月から3年2カ月の間に異常値を示し,画像診断で再発を確認している.follow upの際,CEAが2回以上異常を示した場合,CT scan,Echographyなど画像診断を積極的に併用し,再発の有無を確認すべきであろう.
索引用語
大腸癌と血清CEA, 肝転移, 大腸癌肝転移, 画像診断, 肝転移の画像診断
別刷請求先
高橋日出雄 〒105 東京都港区西新橋3-25-8 東京慈恵会医科大学第1外科
受理年月日
1984年2月15日
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