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第17巻 第5号 1984年5月 [目次] [全文 ( PDF 590KB)]
原著

皮膚反応とIAP,IS値の経時的推移よりみた胃・大腸癌患者の細胞性免疫動態について

蔭山 典男, 咲田 雅一, 春日 正己, 玉井 政材, 今城 茂良, 鈴木 源一, 間島 進

京都府立医科大学第1外科

 胃・大腸癌手術症例71例につき術前術後の細胞性免疫能の推移をPPD・PHA・SU-PSの三種の遅延型皮膚反応と血清中の免疫抑制酸性蛋白であるIAP・IS値を経時的に測定し検討した.血清IAP・IS値は病期の進行にともない上昇し,stage I・II・III症例では術後一過性の上昇をしその後漸次低下し正常域に下降した.一方,stage IV治癒切除症例では術前の高いIAP・IS値は腫瘍切除により急激に下降して正常域内に復し,非切除症例では術後上昇を続けた.
 三種の遅延型皮膚反応の中で,PPD反応は最も術後の免疫能の推移を反映していると思われ,またIAP・IS値とPPD反応は密に逆相関し,癌患者のPPD反応性に血清中のIAP・IS物質が大きく関与している可能性が示唆された.

索引用語
PPD皮膚反応, PHA皮膚反応, SU-PS皮膚反応, Immunosupressive Acidic Protein, IS Substance

日消外会誌 17: 931-937, 1984

別刷請求先
蔭山 典男 〒611 宇治市五ケ庄芝東54-2 宇治病院外科

受理年月日
1984年2月15日

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