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第17巻 第5号 1984年5月 [目次] [全文 ( PDF 935KB)]
原著

消化器癌患者の免疫パラメーターとしてのK値の臨床的検討

大越 輝紀

愛媛大学医学部第2外科教室(指導:木村 茂教授)

 リンパ球のT.B細胞比率を求めるとき,perioxidase反応より求める補正値Kを消化器癌患者93例について臨床的に検討し,次の結果を得た.1)Kは健常人では1.25±0.10(n=25),良性疾患患者では1.33±0.18(n=26)に対し,消化器癌患者では1.53±0.26と有意に高値をとった.2)消化器癌患者ではKは非治癒手術群は治癒手術群に比べ有意に高値をとった.3)非治癒手術群ではほとんどの症例において術前Kは1.5以上を示し,癌の進行とともに上昇し,死亡1~2カ月前には2.0以上を示すものが多く,治癒手術群では低値で大きな変動はなかった.4)他の免疫parameterではPPD反応とよく相関した.以上よりKは非特異的免疫parameterとして,癌患者のmonitoringに有用であるものと考えられた.

索引用語
免疫パラメーター, T.B細胞比, ペルオキシダーゼ陽性細胞, 遅延型皮膚反応

日消外会誌 17: 938-948, 1984

別刷請求先
大越 輝紀 〒799-37 愛媛県北宇和郡吉田町大字北小路甲217町立吉田総合病院外科

受理年月日
1984年2月15日

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