原著
手術不能胃癌患者に対する非特異的免疫療法の臨床的検討―OK-432の皮内投与法の効果について―
花上 仁, 野本 信之助, 吉崎 聰
名古屋保健衛生大学外科学教室
溶連菌製剤OK-432の非特異的免疫療法を受けた手術不能胃癌41例において測定された免疫学的パラメーター,生存期間ならびに副作用発現頻度を統計学的に検討し,有効な投与経路と信頼できる免疫学的パラメーターについて考察した.皮内投与群24例は筋肉内投与群17例に比較し免疫学的パラメーターはより改善され,生存率も有意(p<0.01)に優れていた.末梢血白血球数,リンパ球数,各種皮内反応,溶連菌菌体凝集抗体価が予後推定に有用であった.発熱,疼痛などの副作用発現頻度は皮内投与群が筋肉内投与群に比較し有意に低かった.以上より溶連菌剤OK-432の皮内投与は進行胃癌に対し有効な治療法と考えられた.
索引用語
非特異的免疫療法, 手術不能胃癌
日消外会誌 17: 1407-1415, 1984
別刷請求先
花上 仁 〒173 東京都板橋区加賀2-11-1 帝京大学医学部第1外科
受理年月日
1984年3月14日
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