原著
肝・胆道・膵癌患者における血清フェリチン測定の臨床的意義
浜副 隆一, 尾崎 行男, 清水 法男, 村上 篤信, 金山 博友, 前田 迪郎, 西村 興亜, 古賀 成昌
鳥取大学医学部外科学第1教室
肝・胆道・膵癌患者の血清フェリチンをradioimmunometric assay法にて測定し,血清フェリチンの腫瘍マーカーとしての意義について検討した.肝・胆道癌患者の血清フェリチン値は病期の進行したものほど高値であったが,膵癌では治癒手術群においても高値であった.フェリチン陽性率は肝癌82%,胆道癌63%,膵癌89%で,それぞれalpha-fetoproteinまたはcarcinoembrionic antigen陽性率よりも高く,alpha-fetoproteinやcarcinoembrionic antigen陰性例の多くはフェリチンが陽性であった.以上より,血清フェリチン測定は肝・胆道癌では病期の把握に,膵癌では早期診断のためのスクリーニングとして意義をもつと思われる.
索引用語
血清フェリチン, 肝癌, 胆道癌, 膵癌
日消外会誌 17: 1435-1440, 1984
別刷請求先
浜副 隆一 〒683 米子市西町36の1 鳥取大学医学部第1外科
受理年月日
1984年4月11日
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