原著
膵疾患における術中迅速組織・細胞診の精度とその問題点
石川 治, 大東 弘明, 佐々木 洋, 今岡 真義, 谷口 健三, 岩永 剛
大阪府立成人病センター外科
昭和57年末までに手術時,確定診断を得る目的で施行した迅速組織・細胞診(膵癌110例と慢性膵炎36例)の診断精度をretrospectiveに検討した.その結果,診断精度に関しては判定の困難性よりも検体採取のいかんによって大きく左右された.症例ごとにみられた場合False Negativeは1例(1%),False Positiveは2例(6%)にすぎず,採取による誤診例もなかった.その原因としては,組織診と細胞診とを相補的に使い分け,多数の部位で,かつ部位に応じて採取方法を選択したためと考えられた.
索引用語
膵癌, 慢性膵炎, 術中迅速組織診, 術中迅速細胞診
日消外会誌 17: 1441-1447, 1984
別刷請求先
石川 治 〒537 大阪市東成区中道1-3-3 大阪府立成人病センター外科
受理年月日
1984年3月14日
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