消化器癌患者における血清抑制因子の検討

山田　哲司, 神林　清作, 酒徳　光明, 前沢　欣充, 平野　誠, 川浦　幸光, 岩　喬

金沢大学医学部第1外科

　消化器癌患者31人を対象として，血中の免疫抑制因子であるimmunosuppresive acid proteinとimmune complexを測定し，さらに，immune complex形成に関与する因子について検討を加えた．1）immunosuppresive acid proteinは胃癌で86％，肝癌で100％，大腸癌で82％の陽性率であった．2）immune complexは胃癌で82％，肝癌で100％，大腸癌で16％の陽性率であった．またimmune complex形成に関与する因子として，炎症などによる組織破壊産物が強く関与していると考えられた．

索引用語
免疫抑制物質, immunosuppresive acid protein, immune complex, 酵素抗体法

別刷請求先
山田　哲司　〒920　金沢市宝町13-1　金沢大学医学部第1外科

受理年月日
1984年4月11日

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