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第17巻 第8号 1984年8月 [目次] [全文 ( PDF 559KB)]
原著

リンパ節転移を有する胃粘膜内癌の検討

是永 大輔, 亀川 隆久, 岡村 健, 神代 龍之介, 井口 潔, 古沢 元之助1), 恵良 昭一2), 野田 尚一3), 松坂 俊光4)

九州大学医学部第2外科, 国立病院九州癌センター消化器科1), 国立別府病院病理2), 同 外科3), 松山赤十字病院外科4)

 早期胃癌1,010例のうち,リンパ節転移を有する10例のm癌について,臨床病理学および核desoxy-ribonucleic acid(DNA)量分布パターンより検討した.40~60歳台の女性が多く,胃中部で長径2.0 cm以上の陥凹型未分化型腺癌が多かったが,隆起型も2例認められた.n1(+)7例,n2(+)2例,n3(+)1例であり,開放性潰瘍合併例4例,瘢痕合併例1例,非合併例5例であった.また,n2,n3(+)の3例はUl―IVの潰瘍をともなっていた.核DNA量分布パターンはいずれも分散幅の狭いII型であった.一方,R2,R3の郭清が施行された6例は治癒切除例であるが,R0,R1の4例では半数が非治癒切除例であった.以上より,たとえm癌でも,R2以上の郭清を行う外科治療が必要と考えられた.

索引用語
早期胃癌, 粘膜内癌リンパ節転移, 細胞核DNA量分布パターン, 早期胃癌のリンパ節郭清

日消外会誌 17: 1501-1506, 1984

別刷請求先
是永 大輔 〒812 福岡市東区馬出3-1-1 九州大学医学部第2外科

受理年月日
1984年5月9日

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