原著
CTスキャンによる胃癌転移リンパ節の術前診断
尾崎 正彦
千葉大学医学部第2外科
胃癌転移リンパ節の術前CT診断を目的として胃癌123例(plain CT単独74例,dynamic CT併用49例)を対象に,plain CTとdynamic CTによる診断について比較検討した.局在診断では,plain CT単独例の正診率が88.5%に対しdynamic CT併用例では92.0%と診断率が向上した.描出リンパ節を形状からsolitary typeとmassive typeとに分類した.solitary typeではCT上の大きさから組織学的転移の有無は診断できなかったが,massive typeでは94.6%が転移リンパ節であった.さらに,描出リンパ節をdynamic studyによりenhanced type,nonenhanced typeに分類した.enhanced typeでは81.5%が転移(-)であるのに対し,nonenhanced typeでは,98.0%が転移リンパ節であり,dynamic CTの有用性が明らかとなった.
索引用語
胃癌転移リンパ節, Dynamic CT
日消外会誌 17: 1507-1516, 1984
別刷請求先
尾崎 正彦 〒314-03 茨城県鹿島郡波崎町大字矢田部字土合9108-2 鹿島労災病院外科
受理年月日
1984年5月9日
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