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第17巻 第8号 1984年8月 [目次] [全文 ( PDF 522KB)]
原著

大腸癌他臓器合併切除例の検討

冨田 隆, 田矢 功司, 島村 栄員, 岡田 喜克, 岩崎 誠, 五嶋 博道, 吉田 洋一

三重県厚生連中勢総合病院外科

 大腸癌治癒切除例のうち手術時隣接臓器への浸潤が認められ他臓器合併切除を施行したものは17.2%(10/58)で,長期生存は3年10カ月,2年6カ月の2症例であるが,局所再発や播種性腹膜炎による死亡は2例のみで,合併切除の有効性を示すものと思われた.
 肉眼的他臓器浸潤例のうち組織学的に癌浸潤は57.1%にみられ,他の42.9%は結合織や膿瘍形成による炎症性癒着であった.とくに膿瘍形成例でその内腔に癌細胞が浮遊し,相手臓器まで膿瘍腔が連続進展していることから癌浸潤が考えられた.したがって炎症性癒着といえども癌直接浸潤を考慮すべきである.

索引用語
大腸癌他臓器浸潤, 大腸癌他臓器合併切除

日消外会誌 17: 1574-1578, 1984

別刷請求先
冨田 隆 〒514-11 久居市新町1022 国立津病院外科

受理年月日
1984年5月9日

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