会長講演
食道胃接合部の外科
石上 浩一
山口大学第2外科
われわれが日常遭遇する一部の外科的疾患においては,食道胃接合部の解剖,生理,病態生理などに関する知識がなければ,的確な治療を行うことは不可能であると思われる.まず食道胃接合部の解剖学的指標,この部に存在する噴門括約機構構成因子,それらに対するガストリンを初めとする体液性支配,術後逆流性食道炎の成因における攻撃因子・防御因子バランス説の導入について述べ,さらに食道胃接合部を中心として発生する食道アカラシア,食道静脈瘤,滑脱型食道裂孔ヘルニア,Barrett食道,横隔膜上部食道憩室などの疾患における病態生理および外科治療上の問題点について研究成果を発表する.
索引用語
食道胃接合部と噴門括約機構, 術後逆流性食道炎, 食道アカラシア, 経胸的食道離断術, 滑脱型食道裂孔ヘルニアとBarrett食道
日消外会誌 17: 1655-1664, 1984
別刷請求先
石上 浩一 〒755 宇部市西区小串1144 山口大学医学部第2外科
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