原著
術後食道狭窄拡張術の経験と本邦の現況
旭 博史, 渡辺 正敏, 阿部 正, 斉藤 功, 菅野 千治, 斉藤 和好, 森 昌造
岩手医科大学第1外科
従来の鯨骨ブジーによる拡張術に2,3の改良を加え,新たに中空のグラスファイバー製の柄を持つブジーとポリエチレンシート製の拡張用バルーンを試作し,術後食道狭窄5例(3例は食道静脈瘤で食道離断術後,2例は食道癌で食道胃吻合後の狭窄)に対し合計35回の拡張術を行った.全例に固形食の経口摂取が可能となり,重篤な合併症,再狭窄もみられず本法の有用性を認めた.
今回教室で行った本邦における食道狭窄拡張法の現況についてのアンケート調査では,92施設中ブジー拡張を行っている施設が74,内視鏡的電気切開が64,バルーン拡張が38,レーザーメス5施設であり,使用器具および,使用法は各施設毎に多種多様で,現段階では決定的なものはないようである.
索引用語
食道狭窄拡張術, 食道ブジー, 内視鏡的食道狭窄切開, 食道吻合部狭窄
日消外会誌 17: 1721-1725, 1984
別刷請求先
旭 博史 〒020 盛岡市内丸19-1 岩手医科大学第1外科
受理年月日
1984年6月13日
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