原著
99 mTc in vivo標識赤血球による消化管出血の検出について
嶋田 裕, 武田 克彦, 片山 哲夫, 門田 一宣, 平野 鉄也, 河野 幸裕, 小笠原 敬三, 場田 浩二, 鈴岡 正博, 大林 瑞夫, 高三 秀成, 河原 泰人1), 中田 和明1), 山本 修三1), 黒瀬 孟司1)
倉敷中央病院外科, 同 核医学1)
われわれは消化管出血に対する侵襲の少ない診断法として.99 mTc in vivo標識赤血球を使用したシンチグラフィを応用し,イメージングによる直接検出を試み良好な結果を得た.1982年8月より1984年2月までの消化管出血を疑われた36症例(37回)およびコントロール群10例にシンチグラフィを施行し,消化管出血群の中で18例に陽性所見を得た.手術にて出血を確認したのはこのうち9例であった.シンチグラフィによる検出時間は10分から20時間までの幅を認めたが,半数の症例で2時間以内に検出された.Delayed scanで便潜血(++)陽性以上の比較的少量出血で陽性所見が得られ,24時間で臨床的に200 ml程度の出血があれば確実に検出可能であった.
索引用語
消化管出血診断法, 99 mTc in vivo標識赤血球, シンチグラフィ
日消外会誌 17: 1748-1757, 1984
別刷請求先
嶋田 裕 〒710 倉敷市美和1-1-1 倉敷中央病院外科
受理年月日
1984年6月13日
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