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第17巻 第10号 1984年10月 [目次] [全文 ( PDF 658KB)]
原著

陥凹性早期胃癌の発育進展

熊谷 一秀, 前川 勝治郎, 卜部 元道, 林田 康男, 竹添 和英, 城所 仂

順天堂大学第1外科

 陥凹性早期胃癌の発育進展を検討するため,癌巣の大きさと組織型との関係に加え占居腺領域による特性をみた.対象は教室の単発陥凹性早期胃癌298例である.その結果,占居腺領域を問わず分化型腺癌例は癌巣が大きくなるにつれ,sm癌の頻度が増し,癌巣の大きさと深達度に関連性がみられたが,未分化型腺癌例はそれらに相関関係は認められず,とくに中間帯領域に占居する未分化型腺癌例に顕著であった.以上より,分化型腺癌例の発育進展は同心円状進展が示唆されたが,中間帯領域の未分化型腺癌例の進展に関しては,多中心性発育も考慮に入れるべきものと考えられた.

索引用語
早期胃癌, 胃癌の発育進展

日消外会誌 17: 1808-1813, 1984

別刷請求先
熊谷 一秀 〒113 文京区本郷2-1-1 順天堂大学医学部第1外科

受理年月日
1984年6月13日

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