原著
残胃のリンパ流ならびに残胃の癌のリンパ節転移の検討
米村 豊, 沢 敏治, 片山 寛次, 松田 祐一, 嶋 裕一, 田中 茂弘, 松木 伸夫, 高島 茂樹, 宮崎 逸夫, 三輪 晃一1)
金沢大学第2外科, 福井医大第1外科1)
残胃のリンパ流および残胃の癌のリンパ節転移をRIリンフォグラフィーと残胃の癌治癒切除例で検討した.残胃のリンパ流は左胃動脈・脾動脈,左下横隔膜動脈に沿うものが主体で胃癌取り扱い規約による1群と2群が等価値となり,3群よりも4群リンパ節との関連が深い.B1法の胃・十二指腸吻合部位近傍では(12)(13)(14V)が,B2法の胃・空腸吻合部位近傍では(14V)へのルートがある.食道胃接合部を越え食道浸潤を有する例では1・2群に加え左下横隔膜動脈周囲・縦隔リンパ節郭清が必要である.以上より残胃癌では癌占居部位・再建法を考慮した合理的かつ重点的なリンパ節郭清が必要である.
索引用語
残胃の癌, RIリンフォグラフィー, 残胃リンパ流, 残胃癌リンパ節転移
日消外会誌 17: 1814-1819, 1984
別刷請求先
米村 豊 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科
受理年月日
1984年7月11日
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