原著
出血性胃十二指腸潰瘍に対する治療方針の再検討
渡部 洋三, 津村 秀憲, 小島 一雄, 川島 利信, 工藤 猛, 巾 尊宣, 能美 明夫, 佐々木 浩, 大久保 剛, 矢吹 清隆, 佐藤 浩一, 森本 俊雄, 城所 仂
順天堂大学第1外科
本研究の目的は,われわれがこれまで出血性潰瘍に対して行ってきた保存療法と外科療法の成績を分析し,その治療方針を再検討することにある.対象は慢性出血性潰瘍152例とストレス潰瘍を含むAGML54例である.保存療法のうちH2受容体拮抗剤による間欠静注法の止血効果は,軽症あるいは中等症の出血例に対しては80%以上の有効率であったが,重症出血例に対しては30~50%と低い有効率であった.これらの無効例のうちAGMLの重症出血例に対しては,secretin 2 U/kg/hの持続点滴法が有効であった.これら保存療法と内視鏡的止血法の組合わせにより,外科療法の適応は,AGMLの重症出血の一部の例や,穿孔あるいは狭窄をともなう慢性出血性潰瘍など限られてくる.
索引用語
慢性出血性潰瘍, acute gastric mucosal lesions, H2受容体拮抗剤間欠静注法, secretin持続点滴法, 胃内薬物注入法
日消外会誌 17: 1820-1829, 1984
別刷請求先
渡部 洋三 〒113 東京都文京区本郷2-2-1 順天堂大学医学部第1外科
受理年月日
1984年7月11日
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