原著
回腸切除後の十二指腸液中細菌叢
久保 章, 川本 勝, 福島 恒男, 杉田 昭, 仲野 明, 石黒 直樹, 土屋 周二, 鴻丸 裕一1)
横浜市立大学第2外科, 同 細菌学1)
回腸または回盲部の各種の切除により,十二指腸内細菌叢がどのように変化するか検索した.回腸切除例,回盲部切除例では,十二指腸液中総菌数,嫌気性菌数は105~106/ml好気性菌数は103~105/mlと高値を呈し,切除範囲あるいは回盲弁の有無による差は認められなかった.回腸人工肛門造設例では,総菌数,嫌気性菌数は10~102/mlと低値を示した.このように回腸,回盲部切除例では小腸内のbacterial overgrowthが認められるため,術後blind loop syndromeの発現には充分留意して栄養管理を施行する必要が認められた.
索引用語
回腸切除, 十二指腸内細菌叢
日消外会誌 17: 1836-1840, 1984
別刷請求先
久保 章 〒232 横浜市南区浦舟町3-46 横浜市立大学医学部第2外科
受理年月日
1984年7月11日
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