原著
胃亜全摘後の胆のう収縮能―超音波映像下での検討―
高橋 徳, 石川 羊男, 山村 武平, 神頭 勝, 黒木 輝幸, 太田 昌資, 楠原 清史, 宇都 宮譲二
兵庫医科大学第2外科
胃切除後に高頻度に発生する胆のう疾患の原因を収縮運動の面から考察する目的で,過去1カ月以内に,胃癌で胃亜全摘術を施行された患者18名を対象に,ダイヤン経口負荷後の胆のう収縮運動を,経時的に超音波診断装置にて観察した.胃亜全摘後には,胆のう収縮能の低下がみられたが,特にBillroth II法による再建術を受けた群では,Billroth I法に比べ,空腹時胆のう面積は拡張し,ダイヤンによる収縮能も極めて不良であった.胃癌手術時には,胃切除に加え,リンパ節郭清に伴い,迷走神経や交感神経の切離も施行され,これら種々の要因が術後の胆のう機能低下に関与していると考えられるが,特に再建術式による食物の十二指腸通過の有無が重要と考えられた.
索引用語
胃切後胆石症, 胆のう収縮運動
日消外会誌 17: 2006-2011, 1984
別刷請求先
高橋 徳 〒663 西宮市武庫川町1-1 兵庫医科大学第2外科
受理年月日
1984年8月13日
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