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第17巻 第11号 1984年11月 [目次] [全文 ( PDF 725KB)]
原著

膵仮性嚢胞40例の治療経験

山口 孝, 小原 則博, 山口 実, 古賀 政隆, 中村 清剛, 押渕 徹, 篠崎 卓雄, 元島 幸一, 角田 司, 吉野 りょう三, 原田 昇, 土屋 凉一, 伊藤 俊哉1)

長崎大学医学部第2外科, 長崎大学医療技術短期大学部1)

 過去20年間に40例の膵仮性嚢胞を経験したが,その成因は慢性膵炎が25例と過半数を占めている.自然消失例は8例であり,31症例に外科治療を行った.その内訳は外瘻術4例,内瘻術14例,嚢胞切除2例,膵部分切除14例を主術式として,それぞれの病態に応じて膵管空腸側側吻合術や切除膵自家移植術などの多数の付加手術を行った.疼痛を始めとするこれらの予後は,良好24例,比較的良好7例,不良3例,不明1例であった.予後不良の例は,慢性膵炎例で嚢胞切除術や内瘻術施行例に高頻度に認めた.したがって慢性膵炎に随伴した仮性嚢胞に対しては,嚢胞以外の膵の病態を充分に把握して,その病態に応じた外科治療を行うことが重要と考えられる.

索引用語
膵仮性嚢胞, アルコール性慢性膵炎, 膵部分切除術, 嚢胞内瘻術, 膵仮性嚢胞例の遠隔成績

日消外会誌 17: 2037-2043, 1984

別刷請求先
山口 孝 〒852 長崎市坂本町7-1 長崎大学医学部第2外科

受理年月日
1984年8月13日

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