原著
胃癌食道浸潤例に対する左胸腹連続切開法(胴切り法)の検討
土江 健嗣, 高木 国夫, 大橋 一郎, 太田 博俊, 岡本 勝司, 山瀬 博史, 久野 敬二郎, 梶谷 鐶
癌研究会病院外科
胃癌食道浸潤例に対して施行した胴切り法(左胸腹連続切開法)27例を,従来行ってきた開腹と左開胸を別々に行う開腹左開胸法106例を対照として,手術時間,出血量,合併症などの比較を中心に検討を試みた.胴切り法は左開胸,横隔膜切開,上腹部切開を同一創で行うが,それによって得られる胸腹にまたがる広い視野により病変の進展を確実に診断でき,また胸腹部リンパ節の郭清や他臓器の合併切除などの手術手技が完全に遂行できる.心肺機能に与える侵襲は少なく術後合併症は開腹左開胸法と差異はなかった.
索引用語
食道浸潤胃癌, 胃全摘術, 胃噴門側切除術, 左開胸術, 横隔膜切開
日消外会誌 17: 2123-2129, 1984
別刷請求先
土江 健嗣 〒446 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学医学部第1外科
受理年月日
1984年9月19日
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