原著
Dynamic CTによる肝癌診断に関する研究
山本 宏
千葉大学医学部第2外科(主任:佐藤 博教授)
肝癌81例のdynamic CT像の解析から造影剤のbolus injection後60秒から肝を全域移動スキャンするlate stage CTを考案し,その診断上の有用性を検討した.方法:1)肝癌のサーキュレーション・スタディを約120秒間で行い,正常肝と肝癌のCT値の変化を0~60秒をearly stage,60~120秒をlate stageとして検討した.2)late stage CTによる肝癌の診断成績を検討した.結果:1)肝癌81例中77例はlate stageで正常肝と肝癌のCT値の差が広がることがわかった.2)late stage CTによる切除例の病変数の診断成績は86%で,1 cm以上のすべての病変を診断できた.結論:late stage CTは非侵襲性で,副病変の診断,小肝癌の診断にすぐれていた.
索引用語
肝癌診断, dynamic CT, 肝癌の画像診断
日消外会誌 17: 2169-2178, 1984
別刷請求先
山本 宏 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科
受理年月日
1984年10月17日
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