原著
胆管細胞癌の臨床像と治療
五十嵐 究, 中西 昌美, 佐野 秀一, 今野 哲朗, 葛西 洋一, 森田 穣1)
北海道大学医学部第1外科, 同 放射線科1)
教室で経験した16例の胆管細胞癌について,その臨床像を検索するとともに,切除例,単開腹例,肝動脈動注化学療法例各群の予後を比較検討した.
腫瘍の主占拠部位はMを中心とし,存在範囲はT2以上,肉眼分類は塊状型が多かった.血管造影で腫瘍辺縁部が濃染され,CTではcontrast enhancementにて腫瘍内部にiso-densityとなる所見がみられ,腫瘍自体は血流が豊富と考えられた.
平均生存日数は,切除例3例で796日,単開腹例4例で85.3日,動注化学療法例4例で223日であった.切除例は予後が良好であったが,非切除例においても動注化学療法や動脈塞栓術により生存期間の延長がみられた.
索引用語
胆管細胞癌, 肝切除, 肝動脈動注化学療法
日消外会誌 17: 2179-2184, 1984
別刷請求先
五十嵐 究 〒060 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学第1外科
受理年月日
1984年10月17日
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