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第17巻 第12号 1984年12月 [目次] [全文 ( PDF 789KB)]
原著

胆管癌におけるcarcinoembrionic antigen(CEA)の検討―特に組織CEA反応による癌か非癌かの診断の応用も含めて―

福田 義人, 内藤 寿則, 沢田 勉, 津留 昭雄, 中山 和道, 古賀 道弘

久留米大学第2外科

 切除胆管癌の23例にPeroxidase-antiperoxidase法を用いた組織CEA反応および22例の血清CEAについて検討した.組織CEAは19例(82.6%)に何らかの反応を認めた.血清CEAは平均値3.0±1.6 ng/ml,陽性率54.5%(22例中12例)であった.血清CEAの上昇程度と組織CEA反応の程度に相関は認めず,組織型ではpap 5例(83.3%),tub 13例(81.3%),porの1例,癌部杯細胞(++),(+)群11例(78.6%),(-)群8例(88.7%),肉眼型では,乳頭型2例,結節型4例(80%),浸潤型13例(81.3%)に何らかの組織CEA反応を認めた.さらに,CEA反応を用いて癌部の検索をすると,粘膜および胆管壁に浸潤した癌の先進部まで反応を認め,より詳細な癌浸潤範囲の検索や切除断端部の癌浸潤の有無の判定に有用であると思われた.

索引用語
胆管癌, peroxidase-antiperoxidase法, 組織CEA反応, 血清CEA

日消外会誌 17: 2185-2191, 1984

別刷請求先
福田 義人 〒830 久留米市旭町67 久留米大学医学部第2外科

受理年月日
1984年9月19日

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