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第17巻 第12号 1984年12月 [目次] [全文 ( PDF 698KB)]
原著

胆管狭窄を伴う慢性膵炎症例―臨床像および術式の検討―

佐藤 元通, 木村 茂, 酒井 堅, 小野 仁志, 藤原 志郎

愛媛大学医学部第2外科

 胆管狭窄をともなう慢性膵炎6例を検討した.
 1)黄疸は4例でみられ,うち3例は自然消退したが,1例は胆管完全閉塞に対し経皮的胆管ドレナージを要した.2)胆管炎・胆嚢炎は5例,胆石は3例に認められ,胆汁細菌培養は60%で陽性であった.3)胆管像は全例で総胆管拡張をともない,膵内胆管しめつけ2例,不整狭窄2例,圧排1例,完全閉塞1例が認められた.4)胆道・膵同時バイパス4例(Double Roux-Y 2,ρloop,Roux-Y 1,胆管十二指腸吻合兼嚢胞空腸吻合1例),胆管十二指腸吻合1例(空腸間置法),膵十二指腸切除1例を行い良好な成績を得た.以上より胆管狭窄をともなった慢性膵炎は胆汁うっ滞・胆道系炎症を高率に合併するため,症例に応じた適切な胆道再建術を要するものと考えられた.

索引用語
慢性膵炎と胆管狭窄, 慢性膵炎と胆道再建, 慢性膵炎と胆道感染

日消外会誌 17: 2192-2198, 1984

別刷請求先
佐藤 元通 〒791-02 愛媛県温泉郡重信町志津川29 愛媛大学医学部第2外科

受理年月日
1984年9月19日

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