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第18巻 第1号 1985年1月 [目次] [全文 ( PDF 702KB)]
原著

食道裂孔ヘルニアのX線学的検討―脱出の程度よりみた分類について―

伊賀 浩

千葉大学医学部第2外科

 食道裂孔ヘルニア588例をX線学的に脱出度別に3型に分類した.Grade I:食道胃接合部の偏位拡張蛇行及び食道胃接合部のみ脱出した軽度のもの.Grade II:胃噴門部まで脱出した中等度のもの,Grade III:胃体部以上又は胃全体が脱出した強度のもの.これら3型でみるとGrade I 171例(29.1%)Grade II 413例(69.8%),Grade III 6例(1.1%)であり,主訴との関係ではI度で無症状のものが50%,II度13%III度では認めず,脱出の程度が進むにつれ症状も強くなる傾向である.又,食道潰瘍などの合併症はIII度で33.3%とI,II度に比べ多く認めた.又,III度例6例中5例(83.3%)は手術がなされた,II度5.1%,I度1.7%の手術率であった.以上より脱出度よりみた本分類法は臨床上有用と考えられた.

索引用語
食道裂孔ヘルニアのX線分類

日消外会誌 18: 1-7, 1985

別刷請求先
伊賀 浩 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科

受理年月日
1984年11月6日

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