原著
胃癌症例におけるリンパ球Subpopulationの分析
江里口 直文, 内藤 寿則, 友清 明, 鍬先 清一郎, 沢田 勉, 中山 陽城, 中山 和道, 古賀 道弘
久留米大学医学部第2外科
胃癌症例のリンパ球Subpopulationの測定を行い術前,術後の推移を検討した.特にOKT4/OKT8ratioについて進行度別,全摘例の脾摘の有無別,OK-432の使用例などについて検討した.早期症例は術前,術後ともに正常に近い値を示したが,進行症例では術前値が低値であり,術後も一時軽度上昇するが,低下傾向にあった.進行症例ではStage Iでは術前,術後ともほぼ正常値をとり,Stage II,IIIは症例が少ないが術前0.6~1.4であった.Stage IVでは術前値は,1.5±0.6で術後一時軽度上昇がみられた.全摘例で脾摘による差は認められなかった.又,OK-432使用例では一時術後に軽度上昇がみられた.現段階ではOKT4/OKT8 ratioと進行度は必ずしも一致をみなかった.
索引用語
リンパ球Subpopulation OKT4 (Helper T cell), OKT8 (Suppressor T cell), OKT4/OKT8 ratio
別刷請求先
江里口直文 〒830 久留米市旭町67 久留米大学医学部第2外科
受理年月日
1984年10月17日
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