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第18巻 第1号 1985年1月 [目次] [全文 ( PDF 380KB)]
原著

胃癌における肝十二指腸間膜内,総肝動脈裏面,膵後部及び腸間膜根部リンパ節郭清の意義―RIリンフォグラフィー,色素注入法によるリンパ流の検討―

米村 豊, 片山 寛次, 橋本 哲夫, 藤井 久丈, 沢 敏治, 高嶋 達, 宮田 竜和, 広沢 久史, 広瀬 和郎, 宮崎 逸夫, 三輪 晃一

金沢大学第2外科, 福井医科大学第1外科

 過去9年間で切除した2領域以内に限局した胃癌治癒切除371例を対象として胃癌占居部位によるNo.12・13・14・8pリンパ節への転移を検討した.さらにRIリンフォグラフィー,色素注入法によりこれらリンパ節へのリンパ流を検索した.胃上部ではNo.12左側.8p,胃体部・幽門部ではNo.12・14・8p,幽門輪近傍ではNo.12・13,14・8pとの関連がみられた.No.14では14V・14A・及び胃結腸静脈幹から門脈裏面へ流入するルートがあり,No.14Aと14Vは等価値のものと考えられた.実際の癌の転移もA領域ではNo.12・13・14にそれぞれ6.0・2.3・3.0%,M領域では2.5・0・1.6%,十二指腸浸潤癌では22.4・18.4・14.3%の転移をみた.さらに胃下部癌ではNo.12・13・14への単独転移も8%みられた.以上の成績から胃下部癌ではこれらリンパ節の重点的郭清が必要である.

索引用語
胃癌リンパ節転移率, 胃RIリンフォグラフィー

日消外会誌 18: 56-59, 1985

別刷請求先
米村 豊 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科

受理年月日
1984年11月6日

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