原著
FT-207術前直腸内投与による組織内移行に関する臨床研究
田中 康博, 宮田 正彦, 中尾 量保, 坂本 嗣郎, 橋本 創, 伊豆蔵 正明, 坂口 寛正, 浜路 政靖, 川島 康生
大阪大学第1外科
胃癌18例および大腸癌16例の手術例計34例を対象とした.術前にFT-207の経直腸投与を行い血中ならびに摘出臓器内のFT-207および5-FU濃度を測定した.腫瘍内5-FU濃度は同一症例の腫瘍発生母地正常組織内濃度および腫瘍摘出時点での末梢静脈血中濃度より有意に高値であった.5-FU濃度は腫瘍内および腫瘍発生母地正常組織内ともに大腸癌症例が胃癌症例より有意に高値であった.FT-207投与日数と腫瘍内5-FU濃度との間には同一臓器の同一組織型の症例においては有意の相関が認められた.リンパ節内5-FU濃度は腫瘍内濃度との間に有意差が認められない程度に高値であった.
索引用語
FT-207坐剤, 腫瘍組織内FT-207濃度, 腫瘍組織内5-FU濃度, リンパ節内FT-207濃度, リンパ節内5-FU濃度
別刷請求先
田中 康博 〒553 大阪市福島区福島1-1-50 大阪大学医学部第1外科
受理年月日
1984年10月17日
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