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第18巻 第1号 1985年1月 [目次] [全文 ( PDF 442KB)]
原著

大腸多発癌症例の検討

竹腰 知治, 田中 千凱, 伊藤 隆夫, 松村 幸次郎, 加地 秀樹1)

岐阜市民病院外科, 同 病理検査部1)

 1972~1982年の間に,大腸癌324症例中,同時性17症例,異時性1症例の大腸多発癌18症例を経験した.頻度は5.6%で性比は同時性で男対女,7:10で果時性の1例は女性であった.発生部位は同時性,異時性とも直腸領域に多かった.同時性第2癌は第1癌に比較して進行度は低かった.同時性多発癌では進行癌と早期癌の組み合わせが11例(61.1%)と高く,早期癌が進行癌より口側にある時正診率が低いことより,術前,中,後にわたる精査の必要性が示唆され,さらに同時性多発癌に同時性重複癌(胃)を併存した1症例を経験したことより他臓器の十分な精査の必要性も示唆された.治癒切除できた同時性,異時性多発癌の予後は良好であった.

索引用語
大腸多発癌

日消外会誌 18: 113-117, 1985

別刷請求先
竹腰 知治 〒500 岐阜市鹿島町7-1 岐阜市民病院外科

受理年月日
1984年11月6日

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