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第18巻 第3号 1985年3月 [目次] [全文 ( PDF 775KB)]
原著

食道リンパ節シンチグラフィーによる食道リンパ流の考察

加藤 抱一, 飯塚 紀文, 照井 頌二1)

国立がんセンター病院外科, 同 RI診断部1)

 食道のリンパ流を知る目的にて,食道癌及び噴門癌72例に対して,術前内視鏡下に粘膜下に99mTc-Reを注入し,食道リンパ節シンチグラフィーを施行,画像を部位別に分類して描出率を算出した.その結果,いわゆる右縦隔最上部リンパ節と,胃小弯付近のリンパ節の描出率が約70%と高率であった.同一症例中35例における切除リンパ節シンチグラムでも同様の結果であり,33例の癌の転移率でも同様であった.このことから食道においては,長軸方向のリンパ流が多く,それは上方では右縦隔最上部へ,下方では胃小弯付近の腹部リンパ節へ流入することが推測された.食道癌の手術に際し,これらの部位の郭清の重要性を強調した.

索引用語
食道リンパ節シンチグラフィー, テクネシウム99m レニウムコロイド, 食道リンパ流, 縦隔最上部リンパ節, 食道癌リンパ節転移率

日消外会誌 18: 599-606, 1985

別刷請求先
加藤 抱一 〒104 中央区築地5-1-1 国立がんセンター外科

受理年月日
1984年11月21日

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