原著
術中超音波検査による胃癌壁深達度・浸潤範囲の判定
大村 健二, 高山 和男, 山脇 優, 笠原 善郎, 橋爪 泰夫, 平野 誠, 山田 哲司, 川浦 幸光, 岩 喬
金沢大学第1外学教室
胃癌患者11人,12病変に対して術中超音波検査(術中US)を行った.
1)正常胃壁は5層に描出され,おのおのの層は胃内腔側より粘膜表面の凹凸十分泌物,粘膜+粘膜筋板,粘膜下層,固有筋層,漿膜+漿膜下層にあたると思われた.
2)癌病巣はhypoechoicに描出され,内部エコーは比較的均一であった.
3)病理学的にsm以上の壁深達度を示す症例では,全例術中USにて病変を描出でき,術中USによる壁深達度判定は10病変中9病変(90%)で病理診断と一致した.浸潤範囲は過大評価する場合が多かったが,食道浸潤は2例中1例に見落しがあった.
4)m癌の描出は不能であった.
索引用語
術中超音波検査, 胃癌超音波検査, 胃癌壁深達度, 食道浸潤範囲
別刷請求先
大村 健二 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第1外科
受理年月日
1984年11月21日
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