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第18巻 第3号 1985年3月 [目次] [全文 ( PDF 393KB)]
原著

多発胃癌の問題点

古河 洋, 岩永 剛, 市川 長, 平塚 正弘, 大東 弘明, 亀山 雅男, 佐々木 洋, 石川 治, 甲 利幸, 福田 一郎, 今岡 真義, 小山 博記, 谷口 健三

大阪府立成人病センター外科

 同時に2つ以上の癌が存在していた多発胃癌症例219例(胃切除例の8.6%)について検討した.多発癌は男性に高率で(男性切除例の10.4%,女4.5%,p<0.05),高齢になる程高率であった.肉眼型では早期癌が多く(92%),単発癌にくらべて隆起型,隆起十陥凹型,平坦型が高率で(p<0.05)あった.組織型では単発癌にくらべて高分化型が高率で(p<0.05),占居部位では胃上部C,後壁に高率であった(p<0.05).多発癌についての臨床的疫学的問題点は以下の2点であった.(1)単発癌にくらべてC領域の隆起型が高率であった.(2)多発癌の発生頻度は,罹患率,集検発見率から第2癌の存在する期待値を求めて比較したところ非常に高い値であった.

索引用語
多発胃癌, 重複胃癌

日消外会誌 18: 651-654, 1985

別刷請求先
古河 洋 〒537 大阪市東成区中道1-3-3 大阪府立成人病センター外科

受理年月日
1984年11月21日

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