原著
原発性肝内結石症とcomputed tomography
水沼 仁孝, 中谷 理子, 多田 信平, 高橋 恒夫1), 長尾 房大1)
東京慈恵会医科大学放射線医学教室, 東京慈恵会医科大学第2外科学教室1)
原発性肝内結石症(10例)の診断および治療に果すcomputed tomography(CT)の役割について胆道造影とretrospectiveに対比検討した.
CTでは限局性の肝内胆管の拡張(10/10例),肝葉萎縮(8/10例),結石の石灰化(8/10例)等の所見から全例正しく診断しえた.胆道造影では10例中7例が診断されたに過ぎなかった.
CTと胆道造影を合わせて読影する事により異常な合流形態をとる右後下区域胆管が病変胆管の場合には門脈と交差する部位に胆管狭窄を認めた.このような胆管合流異常と門脈との関係が結石生成の一因になっているのではないかと考えられた.
内視鏡下截石術前後にCTを行った2例に関し截石終了後の評価を比較したがCTの方が優れていた.
索引用語
原発性肝内結石症, 肝内結石症のcomputed tomography(CT), 胆道造影, 胆道鏡下截石術, 肝内胆管走行異常
別刷請求先
水沼 仁孝 〒102 東京都港区西新橋3-19-18 東京慈恵会医科大学放射線科
受理年月日
1984年11月21日
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