原著
胆石症における術中胆道内圧測定よりみた下部胆道付加手術の適応
小西 一朗, 永川 宅和, 秋山 高儀, 神野 正博, 太田 哲生, 沢 敏治, 東野 義信, 村井 仁, 高田 道明, 上野 一夫, 浅野 栄一, 宮崎 逸夫
金沢大学医学部第2外科
胆石症手術にさいして,胆道末端部機能を判定し下部胆道付加手術の適応を決定する目的で,可変式負荷胆道内圧測定をおこなっている.その方法は,分時灌流量を15.3 ml/minから1.2 ml/minの間の4段階に変え,それぞれの灌流圧をグラフ上にプロットしたものを結んでえられる直線の勾配を末端部抵抗Rとし,また灌流量0のさいの圧を静止圧Pとして求めるものである.過去10年間に術中胆道内圧測定をおこなった胆石症444例の検討から,現時点では下部胆道付加手術の適応として以下の結論をえた.(1)R>10単位,P>200 mmH2Oの場合.(2)R,Pのいずれかに異常をみる場合,Rを重視する.(3)境界値の場合,とくに低流域曲線でI型を示すもの.
索引用語
胆石症, 術中胆道内圧測定, 可変式負荷胆道内圧測定法, 下部胆道付加手術
別刷請求先
小西 一朗 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科
受理年月日
1984年11月21日
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