原著
早期胃癌196例の臨床病理学的検討
平川 久, 小関 和士, 武田 裕, 荒川 真, 松岡 富男, 菅谷 彪, 綿貫 勤1)
平鹿総合病院外科, 秋田大学第1病理1)
当院で切除した早期胃癌196例につき臨床病理学的諸因子について検討した.占居部位ではAが過半数を占め,肉眼分類ではIIcが,組織型ではtub2が最も多かった.ly(+)はm癌の6%,sm癌の61%に,v(+)は各々2%,20%に,さらにn(+)は各々2%,15%に認めた.5年累積生存率は,m癌94.8%,sm癌91.5%であった.再発死亡5症例中肝転移再発が3例を占め,いずれも陥凹型で,組織型は2例がtub2,1例がsigであった.脈管侵襲は3例ともに認めたが,すべてn(-)であり,諸家の報告する肝転移例とはやや異なる病像を呈した.肝転移を中心とした再発防止のための有効な補助化学療法の必要性,一般健康管理も含めた長期にわたるfollow upの必要性を強調したい.
索引用語
早期胃癌, 早期胃癌の脈管侵襲, 早期胃癌の脈管侵襲リンパ節転移, 早期胃癌の予後
別刷請求先
平川 久 〒980 仙台市星陵町1番1号 東北大学医学部第2外科
受理年月日
1984年12月12日
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