原著
Borrmann4型胃癌の臨床病理学的検討
中根 恭司, 駒田 尚直, 浅尾 寧延, 今林 伸康, 西 正晴, 畑埜 武彦, 日置 紘士郎, 山本 政勝
関西医科大学外科
Borrmann 4型胃癌を対象とし,肉眼的腫瘍占居部位により幽門洞型(Atype),胃体部型(C type),全域型(G type)に亜分類し比較検討した.性,年齢,初発症状,入院時所見,病悩期間などの検討では3者間にかなりの差異がみられ,またstage分類ではA typeはIIIが,C,G typeではIVが多くみられた.治癒切除率はA typeは50%と最も多く,C,G typeはおのおの30,36%と低値であった.これはA typeはstage IIIが主であり,G typeは腹膜播種が多くみられたことによるが,C typeでは断端陽性,リンパ節郭清不十分で非治癒切除になる例が多くみられた.3年累積生存率では治癒切除,非治癒切除群でおのおの38,11%と極めて不良であり,このことより外科的治療には限界があり,新しい抗癌剤などの開発が望まれる.
索引用語
スキルス胃癌, Borrmann4型胃癌
別刷請求先
中根 恭司 〒570 守口市文園町1番地 関西医科大学外科
受理年月日
1984年12月12日
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