原著
年齢別にみた直腸癌手術例の検討―若年者直腸癌を中心に―
金井 道夫, 高橋 孝, 加藤 岳人, 山川 文男, 翁 秀岳, 池田 高明, 小鍛冶 明照, 太田 博俊, 梶谷 鐶, 藤原 章1), 加藤 洋1)
癌研究会附属病院外科, 同 病理1)
直腸単発癌自験例839例を手術時の年齢別に検討し,以下の結論をえた.1.非若年者と比較して,若年者の直腸癌特徴は,女性,Borrmann 3,4,粘液癌,漿膜浸潤例,リンパ節転移陽性例,腹膜播種陽性例の頻度が高く,治癒切除率,治癒切除後の5年生存率が低い点であった.2.39歳以下を若年者群,40歳以上を非若年者群として,両群を比較した場合臨床病理所見の差が最も大きかった.3.若年者直腸癌の予後は,リンパ節転移との相関が最も強く,n3症例が多いことが若年者直腸癌全体の予後を不良とした最大の原因と思われた.
索引用語
若年者直腸癌, 直腸癌年齢別検討
別刷請求先
金井 道夫 〒457 名古屋市南区白水町9番地 大同病院外科
受理年月日
1984年12月1日
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