宿題報告
胆石の成因に関する実験的・臨床的研究
谷村 弘
京都大学医学部第2外科
新しいコレステロール石形成食を案出し,実験的混合石形成に成功した.肝のコレステロール合成律速酵素の測定によっても,また臨床例における栄養調査でも食餌性因子が主たる成因であることを確認した.さらにヒト胆汁組成にも日内リズムがあることを見出し,夜間の胆汁組成を重視すべきことを指摘した.
肝内結石の化学的組成分析から,かなりのコレステロールを含むものが存在することを見出した.
ビリルビン石症例におけるグリシン抱合型胆汁酸の減少と胆汁中Ca++のイオン化抑制,遊離型ビリルビンの存在および先の混合石形成食の組成と併せ考え,ビリルビン石もまた食餌が成因に関与している可能性を指摘した.
索引用語
胆石の成因, 食餌性因子, コレステロール石, ビリルビン石, 黒色石
別刷請求先
谷村 弘 〒606 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部第2外科
受理年月日
1984年10月8日
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