原著
食道静脈瘤に対する各種治療とその成績
石山 秀一, 片桐 茂, 瀬尾 伸夫, 飯澤 肇, 布施 明, 原 隆宏, 亀山 仁一, 塚本 長
山形大学第1外科
食道静脈瘤を有する門脈圧亢進症64例に対する治療とその成績について検討した.手術死亡は待期手術例では4.3%,緊急手術例では36.0%であった.経皮経肝的食道静脈瘤塞栓術による緊急手術回避率は85%で施行後待期手術までの期間は平均20日であった.術後再発例や手術不能例に対しては内視鏡的硬化療法を行った.術後酸素消費量が低値を示すものに合併症が多く発生し,その程度も顕著であった.遠隔死亡の原因は肝癌,肝不全,再出血であった.再出血率は5.8%であった.緊急止血には経皮経肝的食道静脈瘤塞栓術が,術後再発例,手術不能例には内視鏡的硬化療法が有用で,術後管理には酸素消費量を指標にした呼吸循環管理が重要と考えられた.
索引用語
食道静脈瘤, 経皮経肝的食道静脈瘤塞栓術, 内視鏡的硬化療法, 直達手術後呼吸循環動態, 直達手術後酸素消費量
別刷請求先
石山 秀一 〒990-23 山形市蔵王飯田西前 山形大学医学部第1外科
受理年月日
1985年2月13日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|