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第18巻 第5号 1985年5月 [目次] [全文 ( PDF 589KB)]
原著

胃癌リンパ節郭清指標としての微粒子活性炭(CH44)術前内視鏡下注入の有用性

沢井 清司, 高橋 滋, 加藤 元一, 竹中 温, 徳田 一, 萩原 明於1), 高橋 俊雄1)

京都第2赤十字病院外科, 京都府立医科大学第1外科1)

 胃癌手術においてリンパ節郭清を徹底的に行うことを目的として,リンパ指向性が高いとされている微粒子活性炭CH44を進行胃癌の術前内視鏡下に胃癌周囲の粘膜下層に注入し,CH44により黒染されたリンパ節が郭清の指標になりえるか否かを検討した.結果:1)点墨群(24例)では,郭清したリンパ節の68.8%(1562/2268)に肉眼的黒染が認められた.2)1症例当りの郭清リンパ節数は点墨群94.5個に対し,対照群(28例)45.9個で有意差を認めた.3)リンパ節番号別にみると,No.(7)・(8 p)・(11)・(14)・(15)・(16)で点墨群の方が郭清リンパ節数が有意に多かった.4)リンパ節転移度は点墨群11.0%,対照群19.4%であった.以上より微粒子活性炭の内視鏡下注入点墨は,胃癌手術のリンパ節郭清の指標として有用と考えられた.

索引用語
胃癌のリンパ節郭清, 微粒子活性炭(CH44), 大動脈周囲リンパ節, 経内視鏡的墨汁注入

日消外会誌 18: 912-917, 1985

別刷請求先
沢井 清司 〒602 京都市上京区釜座通丸太町上ル春帯町355-5 京都第二赤十字病院

受理年月日
1985年1月16日

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