原著
胃癌顕性出血における緊急手術と待期手術
加辺 純雄, 佐々木 光一, 柿原 稔, 河野 道弘, 初瀬 一夫, 門田 俊夫, 望月 英隆, 黒川 胤臣, 田巻 国義, 平出 星夫, 三村 一夫, 玉熊 正悦
防衛医科大学校第1外科
顕性出血をともなった入院胃癌患者25例(うち緊急手術5例,待期手術20例)について,緊急手術例と待期手術例の臨床的および病理学的差異を検討し,次の結果を得た.緊急手術例は待期手術例に比べ,1)年齢は60歳以上が多く,2)男性が多く,3)初発から手術までの期間が短く,4)ショック症状をともない,5)術前から術中への連続した輸血が施行されており,6)主占居部位はAが多く,7)肉眼型は潰瘍形成型の2型と3型が多く,8)組織型は乳頭腺癌が多く,9)浸潤増殖様式はINFαが多かった.以上より,同じ胃癌顕性出血例でも緊急手術となる症例は,待期手術となる症例と臨床病理学的に異なる特徴を有することが判明した.
索引用語
胃癌出血, 胃癌手術
別刷請求先
加辺 純雄 〒359 所沢市並木3-2 防衛医科大学校第1外科
受理年月日
1985年1月16日
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