原著
大腸癌肝転移切除例の検討
西田 修, 佐藤 直樹, 中西 昌美, 佐野 文男, 内野 純一
北海道大学医学部第1外科
1968年から1984年までに経験した大腸癌の肝合併切除8例に検討を加えた.病理組織学的には1例が平滑筋肉腫,他の7例は癌腫で高分化腺癌5例,中分化腺癌2例である.原発巣の占居部位は直腸5例,S状結腸2例,盲腸1例であった.肝転移の時期からみるとprecocious typeは平滑筋肉腫の1例のみで,metachronous typeが2例,synchronous typeが5例である.原発巣の大きさは長径2 cmから6.5 cmで,深達度は5例が壁内にあり,1例はsm癌であった.肝広範切除は4例に行われ,最長生存例は平滑筋肉腫の4年6カ月であるが,残る3例もそれぞれ肝切除後1年4カ月,1年1カ月及び8カ月経過し,再発の徴候もなく生存中である.
索引用語
大腸癌肝転移, 転移性肝癌合併切除
別刷請求先
西田 修 〒060 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学医学部第1外科
受理年月日
1985年2月13日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|