原著
胃癌手術症例の遠隔成績
橋本 芳徳, 伊福 眞澄, 石丸 宏哉, 窪田 芙佐雄, 賀来 清彦, 柴田 隆一郎, 原 信介, 今西 建夫*, 久保 謹平1), 坂口 洋司1), 池田 保明2)
佐世保市立総合病院外科, 内科*, 久保内科病院1), 池田内科病院2)
過去10年間の胃癌手術症例749例中,切除例669例の遠隔成績を10年までの累積生存率曲線により検討した.治癒切除例の5年生存率は78.5%,10年生存率は75.2%で,非治癒切除例では,それぞれ16.0%,13.5%であった.手術術式,肉眼型分類,深達度,リンパ節転移,stage分類,脈管侵襲,組織型別に生存率を比較検討した.手術術式および組織型別には生存率に有意差を認めなかった.リンパ節転移,stage,脈管侵襲の程度は,深達度の影響を受け,胃癌の予後関与因子としては,深達度が最も重要である.とくにps(-)かps(+)かによって,治癒切除率および術後遠隔成績に有意に大きな差がみられた.
索引用語
胃癌手術症例の遠隔成績
日消外会誌 18: 1620-1629, 1985
別刷請求先
橋本 芳徳 〒857 佐世保市島地町10-3 佐世保市立総合病院外科
受理年月日
1985年3月13日
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