原著
肝悪性腫瘍に対するlipiodol-adriamycin動注療法の検討
長島 通, 竜 崇正, 向井 稔, 菊地 俊之, 有我 隆光, 高 在完, 奥山 和明, 山本 義一, 小高 通夫, 佐藤 博
千葉大学医学部第2外科
肝悪性腫瘍(肝細胞癌14例,転移性肝癌20例)に対しlipiodol-adriamycin(ADM)懸濁液動注(LA)療法とL-A動注後Gelfoam肝動脈塞栓(L-A-G)療法を施行し,腫瘍内lipiodol集積度組織内ADM濃度,抗腫瘍効果を検討した.両療法とも動注後2週以内は良好な腫瘍内lipiodol集積が認められた.1カ月以降L-A療法ではlipiodolは強くWash outされるが,L-A-G療法では軽度であった.また,組織内ADM濃度は正常部よりもlipiodolの集積している腫瘍部に高濃度残留が認められた.両療法ともに動注後腫瘍マーカーは良好に低下し,組織的にも良好な壊死効果を得た.特に,転移性肝癌でさえL-A療法で90%の壊死が得られ,L-A-G療法ではさらに強い壊死率が得られた.
索引用語
肝細胞癌, 転移性肝癌, lipiodol-adriamycin動注
日消外会誌 18: 1664-1670, 1985
別刷請求先
長島 通 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科
受理年月日
1985年3月13日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|