原著
Domperidoneのgastroesophageal refluxに及ぼす影響
渡辺 正敏, 旭 博史, 石田 薫, 阿部 正, 近藤 宗廉, 小川 将, 天野 一之, 斉藤 功, 金 直樹, 中村 隆二, 西成 尚人, 森 昌造
岩手医科大学第1外科
domperidoneのgastroesophageal reflux(GER)対する治療薬剤としての評価について,健常人18名を対象に,食道内圧測定(5名),テレメタリングによる24時間食道pH測定(13名)を行い検討した.lower esophageal sphincter(LES)の圧と長さはdomperidone 0.2 mg/kg静注にて15分後から有意の増加を示し,60分後は最大で対照の約2倍に達した.GERに関しては,逆流回数ではdomperidone投与後に著変を認めなかった.一方,逆流時間では24時間中,日中,夜間のいずれの1時間当りの逆流時間においても対照と大差はなかったが,投与後1時間の値では対照群に比べ著明な短縮を示した.以上より,本剤はLES機能,食道自浄作用を高めることに寄与することが示唆された.
索引用語
domperidone, 食道内圧測定, 24時間食道pH測定, lower esophageal sphincter, gastroesophageal reflux
日消外会誌 18: 1753-1757, 1985
別刷請求先
渡辺 正敏 〒020 盛岡市内丸19-1 岩手医科大学第1外科
受理年月日
1985年4月17日
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