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第18巻 第8号 1985年8月 [目次] [全文 ( PDF 899KB)]
原著

食道癌術前照射(3,000~4,000 rad)の意義―とくに深達度の改善の予後に及ぼす影響について―

茅ヶ崎 喜三郎, 加藤 洋1)

順天堂大学医学部第1病理学教室, 癌研究会病理部1)

 癌研病院において術前照射(3,000~4,000 rad)を受け手術切除された食道扁平上皮癌110例を対象として食道癌術前照射の局所効果とその予後に与える影響について検討した.局所効果は深達度の改善と食道癌取り扱い規約のEfによって観察した.結果,(1)110例中少しでも深達度が改善された症例は47例(42.7%)であった.(2)著明に深達度の改善された症例にEfの大きなものが多かったが,Ef大なるもの必ずしも深達度の改善は著しくなかった.(3)深達度の改善と予後(3生率)の間には有意の関係はなかったがEfと予後の間には存在した.(4)3,000~4,000 radの術前照射量は全体的には食道癌の予後改善には大きな影響を与えていないと言えた.

索引用語
食道癌術前照射, 食道癌照射前推定深達度, 食道癌照射後深達度, 食道癌深達度の改善, 食道癌3年生存率

日消外会誌 18: 1784-1792, 1985

別刷請求先
茅ヶ崎喜三郎 〒113 文京区本郷2-1-1 順天堂大学医学部病理学教室

受理年月日
1985年4月17日

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