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第18巻 第8号 1985年8月 [目次] [全文 ( PDF 766KB)]
原著

食道癌患者の栄養状態および免疫能に及ぼす術前高カロリー輸液の効果についてのprospective study

斉藤 貴生, 膳所 憲二, 桑原 亮彦, 平尾 悦郎, 御手洗 義信, 多田 出, 若杉 健三, 小林 みち夫, 野田 尚一1), 池田 正仁1)

大分医科大学第1外科, 国立別府病院外科1)

 食道癌患者に対する術前IVHの効果について,栄養および細胞性免疫能の面からprospective controlled studyを行った.食道癌41症例を対象とし,入院時に摂食障害があり術前IVHを施行したI群と摂食障害がなく術前IVHを施行しなかったII群とに分けた.栄養は6指標で,免疫能は4指標で評価した.その結果,II群では術前照射と手術によって栄養障害と免疫不全が惹起された.これに対し,I群の栄養状態は,術前照射に伴う低下が防止されただけでなくむしろ改善され,また,術後の低下も抑制され,栄養障害の早期回復がみられた.免疫能は両治療によって著明に低下したが,術後の回復が早められる傾向が認められた.

索引用語
食道癌患者, 術前高カロリー輸液, 食道癌患者の栄養状態, 食道癌患者の免疫能

日消外会誌 18: 1793-1800, 1985

別刷請求先
斉藤 貴生 〒879-56 大分郡狭間町医大ヶ丘1-1506 大分医科大学第1外科

受理年月日
1985年4月17日

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